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  U.S. FCCライセンス 

 2023-01-04 作成
2023-02-05 3訂



コールサイン


要点まとめ
1.新規の場合のコールサインは、 まずは自動的に割り当てされる。
    Extra=5 letter
    General/Tech=6 letter
2.バニティコールという希望コールへの変更制度がある。(要手数料)
3.「1人1コール」 2コール持ち不可
  バニティコールへ変更すると旧コールはキャンセル(失効)となり使えない。


  • HFをやっているとよく目につくのが、アメリカやロシアの局によくある 1x2(Wx##)、2x1(WAx#)のコールサインです。日本では短いコールサインはおろか、希望もで きませんが、アメリカではどうなっているのかを調べてみました。



  • コールサインの種類
    • アメリカのコールサインは、大まかに4つのGroupがあります。
      • Group A Amateur Extra (最短例:1x2、2x1=4 letter)
      • Group B Advanced (最短例:2x2=5 letter)
      • Group C General/Technician (最短例:1x3、2x2(48州以外)=5 letter)
      • Group D Novice/ClubStation (最短例:2x3=6 letter)
      • 例外:
        Special Event Call 1x1=3 letter
        アマチュアコミュニティにとって重要な公のイベントについては、コーディネーターの審査に通ると 1x1スペシャルイベントコールサインの割り当てを受けることができます。利用できる期間は15日 以内です。これは、個人的な"記念運用"や"コンテストで短いコールを使用したい”では申請でき ず、公の記念イベントで多くのアマチュア関係の組織の後援があるなどの条件があります。1x1は、 FCCからコーディネーターに割当の権限が委譲されているため、FCCのULSでは管理されず、割 り当て状況はコーディネーターのサイトで検索する必要があります。個人ではまず取得不可能ですが、 意外と多く利用されており、例えば2023年1月ですとなんと61局も運用が予定されています。見 かけることもあると思いますので、一応こういうコールも存在するという程度で記しておきます。 http://1x1callsigns.org/
    • 自分のオペレータクラスに該当するGroup以下であれば、後述のバ ニティコール制度でリクエストすることができます。(例えば、GeneralならCかD)
    • 今現在ライセンスに割り当てされているコールサインのクラスは、 ULSの Amateur Dataの部分に記号で記されています。


  • シーケンシャル(システマティック) コールサイン(新規発給)
    • システムが自動的に発給(アルファベット順) するものです。
      コールサインプレフィックスの割り当てがすごく多いアメリカですが、JAより遥かに多い局数にライセン ス取得後無条件でとりあえず10年はコールを割り当てしていますので、枯渇気味になっていることから、 General/Techライセンス取得後に自動的に発給されるコールは、オペレータライセンスより1 つ下(空きの多いNoviceやClub用)のものになっています。
      • Amateur Extra Group A 2x2(5 letter) が発給
      • Technician、General Group D 2x3 (6 letter) が発給

    • いまどのあたりが発給されてるのかなというのは、下記のページのペー ジ最後右側で見られます。
       https://hamdata.com/fccinfo.html

    • 変更は無料です。アップグレードの他、住所変更により地域が変更に なった場合や、単にコールを変更したいというような場合でも随時変更が可能です。シーケンシャルコール は変更しても有効期限は元のコールと同じままで伸びません。申請はULSから簡単にでき、即日〜1営業 日で新しいコールが割り当てされます。旧コールはキャンセル扱いになります。


  • バニティコール(希望コールサインリクエスト)
    • アメリカでは、手数料を支払えば、オペレータクラスにより許されてい る範囲内かつ、空きコールサイン(キャンセル後2年を経過している or まだ使われていない)であることを条件に、希望するコールサインに変更してもらうことができます。なお、キャンセル 後2年以内でも、自分の旧コールであったり、親族が保有していたコールという場合は、それを証明できれ ば、すぐに取得できます。(アメリカ流らしく、証明する責任は本人にあります。)

    • 2022年から、バニティコール申請が通ると、新規更新と同様 に$35の手数料が都度かかります。コール割当後は、有効期限が承認日から改めて10年となります(旧 コールの残存期間は放棄となります)。

    • 4 letter(1x2や2x1)は、システマティックコールサインでは発給されないので、必ずバニティコールの申請が必要です。
      • Amateur Extra (A)
        • 全てのコールをリクエストできます。
      • General/Technician (C)
        • 1x3か2x3(サフィックスが3レター、48州外は2レ ター)の希望コール をリクエストできます。

    • リクエストできるコールの形式は、48州か、それ以外の地域かなどで 細かく決まっていますので、下記FCCの資料をチェックしてください。
       https://www.fcc.gov/wireless/bureau-divisions/mobility-division/amateur-radio-service/amateur-call-sign-systems

    • 注意点としては、アメリカでは「1人1ライセンス(コールサイン)の原則」があ ります。あくまで「変更」なので、希望が通ると、旧コールは失効(キャンセル)になり、2年経過後は誰 でも再取得ができるようになります。

    • ここで1つ目玉?なのが、 GeneralやTechのライセンスクラスであっても、1x3や48州以外であれば2x2のコー ルはリクエストできるということです。単になるべく短いコールが欲しいという場合は、例えば W6###やKL6##というExtra(advanced)っぽい5 letterのコールも空きがあれば取得はできます。(ただし、これはそうっぽいだけなので、48州外はExtraなら2x1=4 letterなので、分かる人が見ればすぐに分かります)

    • コールエリア
      連絡先住所の地域(リージョン)に限らず、本土48州内の住所ならリージョン1-10(48州内) どこでもOKです。
      リージョン11-13の本土外の地域(アラスカ、ハワイ等)は、そこに連絡先住所を確保し変更する ことが必要です。
      連絡先住所と同じリージョンの局が優先(当たりやすい)といううわさはあるようです。


  • 個人的な後書き
    • ネットで色々調べてみると、過去には、外国人に対しては4 letterを発行しないようにARRLがFCCに申し入れしたという記事も見かけました。実現はしていませんが、いずれ再燃してそうなるかもしれませ ん。私はそこまでコールの長さにこだわりはありませんが、エクストラにアップグレード後にシーケンシャ ルのエクストラコールは頂きました。

    • では、アメリカ国内ではどうなのかというと、Extraにステップ アップしても案外、6 letterコールのまま、という方もいます。私は、WASを狙っているので、HFでアメリカと交信するとqrzでルックアップして州をログに入れるので すが、 6 letterでもGeneralではなく、Extraということも普通にあります。
      (HFデビューの頃は、QRZで見たときに、
      コールの数字が示す地域と実際の住所が合わないので不思議に思っていました が、これもバニティコールの影響なんです。)
      日本では設置/常置場所の総通エリアが異なれば複数のコールサイン を取得することもできますが、アメリカでは1人1ステーション(コールサイン)という決まりがあります ので、下級での活動が長く慣れ親しんだコールであったり、希望するコールが6 letterでしか実現できない文字だったのかもしれません。JAではコールが原則変更すらできないので、コールサインを選べるということ自体が贅沢な悩 みであると思います。



 

 

 

 

de JQ2MPJ 湯浅 徹

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