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  U.S. FCCライセンス 

 2022-12-26 作成
2023-07-10 4訂



試験制度

要点まとめ
1.アメリカの試験だが、日 本国内で受験可能。
2.試験は、オペレータ資格 に対応し3段階ある。
3.飛び級受験はできない。
4.ボランティアのVEチームが試験を実施する。
5.問題は、クエスチョンプールという候補問題集からしか出題されない。
6.どこのVEチームで受験しても、クエスチョンプールは共通。
7.会場での集合受験のほか、オンライン自宅受験も認められている。
8.受験を申し込む前に、準備が必要である。



  • 受験の準備と申込
    • 受験を希望するVEチームの所定の方法により申込します。
    • 受験申込前にすべき準備
      • 各VEチームでは、これらの手 続きはしていませんので、自分であらかじめ手続しておく必要があります。
        (相談するとアドバイスはもらえます)
      • パスポート
        • FCCライセンスは、事実 上アメリカ国外でも通用することがありますが、原則はアメリカの国内資格で、アメリカ国内 での運 用の意思がある ことが前提であることから、渡航できる(有効期限内)パスポートが必要です。同時に、パスポートは受験者 の本人確認と氏名のローマ字表記の証明に使用します。
        • ライセンスは、氏名のロー マ字表記のみで綴りを間違うとライセンシーであること自体を証明することが難しいので、パ スポートなどの公的書類と完全一致させることが原則です。
          アメリカのライセンスには、個人情報は氏名と連絡先住所しか記載されません。写真や誕生日 は収集すらされません。
        • パス ポート申請中で受験日までに間に合わない場合でも、受験は可能ですが、別の書類等が必要になりますので、予めVEチームの指示を受けてください。
           注:一部のVEチームでは、チームの方針としてアメリカでの渡航(運用)計画があること を受験資格として求めているチームがありますが、規則としては受験に際してアメリカへの渡 航計画を示す義務はありません。
      • FRN(FCC登録コード)の取得
        • 10桁の数字で、FCCの CORESシステムで無料で即日登録できます。
          ただし、週末はメンテナンスダウンが度々ありますので、早めに取得しておくと安心です。
          間違いがないよう、次の連絡先住所と併せて正確にメモしておきます。
      • アメリカ国内の連絡先住所
        • 連絡先住所ですので、自宅や居住地である必要はありません。 郵便が確実に届けば、会社、私書箱、知人宅でもよいです。ただし、郵便が配達できない地域、存 在しない住所やアメリカ国外の住所で申請すると、FCCでライセンスが拒否されます。間違えな いよう、メモ等したものを準備します。
      • U.S. FCCライセンス又はCSCE(合格証明書)
        • 有効なライセンスを受けていて、ステップアップの場合、ライ センスを提示することによりそこまでのElementの試験は免除されます。
        • 失効したライセンスでも、試験の一部免除が受けられることが あります。
        • ライセンス未登録の場合は、期限内の有効なCSCEを提示し ます。
        • VEチームによって、「原本提示+コピー提出」や「予め PDFにスキャンしてメールで送る」などそれぞれ提出方法がありますので指示に従ってくださ い。


  • 試験の施行団体
    • 試験は、VECに所属している各 VEチームが実施します。
    • 管理は、FCCが認定したVECという非営利の民間団体が行います。
      現在、14の団体がVEC認定を受けています。(2023年1月時点)
      日本国内で試験を実施しているVECは2つ(
      ARRL/W5YI)です。
    • 試験問題は、全てのVECが所属する「NCVEC」という組織が作成 管理し、NCVECが作成したもの を使いますので、どちらのVEC、どこのVEチームで受けても同じ問題です。


  • 試験の実施方法
    • VEチームによっては、対応している試験が限られていることがありま す。
      • In-person(現地集合試験) 従来からお馴染みの試験方 式で、試験会場に足を運んで現地で試験を受験します。現地試験は、解答用紙に解答する試験と、 CBT(コンピュータ上で解答)のどちらかになります。
      • Online(オンライン試験) 新たに新設された方式です。 VEチームとインターネットテ レビ電話とブラウザを使用して、VEチームと直接対面せず行う試験です。受験者は所定の基準を満た すオンライン環境と場所があれば、自宅等で受験可能です。解答はCBTのみです。
    • 採点や処理がオートメーション化さ れ迅速に処理でき るとして、現地試験でもCBTに移行するように推奨していますので、紙での試験は今後縮小していく と思います。


  • 試験について(区分、合格点、出題範囲、試験時間など)
    • 試験の区分
      • Element(エレメント)という段階で分けられている。
         Element1 : 廃止(CWの実技試験、ノーコードライセンス化により廃止)

         Element2:Technician 35問(26問以上で合格)
         Element3:General 35問(26問以上で合格)
         Element4:Amateur Extra 50問(37問以上で合格)

      • Element2から順番に受験し、合格したらステップアップし ていきます。
      • 初回受験で、いきなりGeneral/Extraを受験すること (飛び級)はできません。
    • 出題
      • 筆記試験のみ(CWの実技試験は廃止)
      • 全問クエスチョンプールからの出題
      • 4択式
      • CBTの場合、問題や選択肢の順序は入れ替わります。
    • 試験時間
      • 定められた制限時間はありません。各VEチームに委ねられていま す。
        日本国内では、VEチームが定める試験実施時間内(半日程度)であれば認めていることが多いです。
        すべての時間 をElement2に費やしてもいいですし、Element2〜4まで行ってもいいです。
        ※アメリカでは、受験者が多く1エレメントあたり20〜30分程度に制限されているようです。
      • 暗記試験ですので、普通に解答すれば、Extraであっても20 分程度で一通り解答できます。
    • 採点、合否発表
      • エレメントごとに解答が終わっ たらVEがその場 で即時採点、発表となります。
      • 合格すると、次のエレメントを 即日受験することができます。
      • 合格証明書として、CSCEが 即時発行されます。
    • 受験料
      • $15 (ARRL VECチームの場合。受験料はVECごとに共通です。)
      • この記事の最終更新時点のレー トで2,000円程度です。
        日本のVEチームで受験する場合、日本円で支払います(レートはVEチームが決 定)。


  • クエスチョンプールの説明
    • 全ての問題は、クエスチョンプール からのみ出題されます。いわゆる新問はありません。
    • ク エスチョンプールは、NCVECが管理していますので、ここから取得したものが最新のものにな ります。
      http://www.ncvec.org/page.php?id=338
    • 誤植等が判明すると随時更新されることがあります。
    • 4年間の有効期限があります。
    • クエスチョンプールの問題数:Element2:411問  Element3:454問 Element4:622問
    • 出題確率は10分の1程度
    • 出題方法
      • Elementは、SubElement(10) →  Group(35or50) → Questions(候補問題10問程度) に分かれています。
      • Groupが35(エクストラは50)項目あり、1つの Groupに対して10問以上の候補問題がある という構成になっていますので、各Groupから1問づつ均等に、おおよそ10分の1の確率で出題され ます。
      • 出題順と選択肢の順序が変わります。解答番号の みの暗記では合格できません。また、学習サイトでは間違えた問題を特定しやすくするために SubElementの番号が表示されることがありますが、実際の試験では表示されないので、 SubElement6の問題から〜という覚え方もしない方が良いです。


  • 受験上の参考事項
    • CSCE(合格証明書)の効力
      • CSCEの見方
        • 左上あたり
          • 受験地と受験日の日付
        • 右端上あたり
          • 「EXAM ELEMENTS EARNED」に合格したElementが表示(レや〇)
          • 「NEW LICENSE CLASS EARNED」に、新しいライセンスクラスが表示(レや〇)
          • 関係ない部分は線で抹消されます。
        • 左下あたり
          • 自分の情報とサイン
        • 右下あたり
          • VE 3名のサインとコールサイン
      • ARRL
                            CSCE
      • 合格したElementがある場合、CSCEが発行されます。次 回の試験で提示することにより、合格済みのElementは免除され、次のElementから受験 できます。
      • CSCEは365日の有効期限があります。
      • CSCEは、FCCにライセンスが登録された時点で効力を失いま す。ライセンス登録後にステップアップする場合は、ライセンスの写しを提示します。
      • 既にアメリカのライセンス(コールサイン)がある場合のステップ アップでは、CSCEを受け取った時点から直ちに新しい資格で運用ができます。365日以内に FCCにライセンスを申請してください。
    • 合格者
      • VEチームの許可を得られれば(他の受験者のスケジュールの迷惑にならな い、試験実施時間の残りがあるなど)、直ちに次のElementを受験できます (しなくても良いです)。試験を終了せず同じ日に合格し続ければ受験料の追加請求はあり ません。
      • すべてのElementを受験する 義務はありません。途中でやめるときは、自分が望むElementの合格後に、ステッ プアッ プを辞退すれば、そこまでのCSCEが発行されます。
        CSCEを受け取った時点で試験終了ですので、合格終了でも、次回、受験料が再度必要 です。
      • 1日ですべてのElementに合格することを「One Day Extra」といい、努力の証として会場で称えられるそうです。One Dayでもライセンスそのものに変わりはありませんが、ULSを見ると「Operator Class」がExtraで「Prev. Op. Class(以前のクラス)」が空欄になっているので分かります。
    • 不合格者
      • VEチームの許可を得られれば(他の受験者のスケジュールの迷惑 にならない、試験実施時間の残りがあるなど)、新たに受験料を支払いのうえ、即日直ちに再受験でき ます。もちろん、そのまま受験をあきらめても構いません。
      • 許可と時間がある限りトライできますが、 In-person試験で用紙タイプの場合は、問題パターンのストックがなくなると受験が拒否されます (FCC規則で、同日、同人に対して同じ問題パターンを使用することが禁止されているため)


  • 合格(受験終了)後の参考事項
    • 現地で
      • CSCEの記載事項をチェックし、間違いなければサインして受領 します。現地試験の場合は手渡し、CBT試験の場合は、後ほどすみやかにメールで届きます。
      • ライセンスの申請は、その場で申請 書を提出します。VEチーム→VECを経由してFCCに提出されます。
        CBTの場合は、オンラインで自動的に作成されます。
      • 現地でやることは以上です。
    • 後ほど
      • 新規の場合は、2~10日程度(ARRL/FCCオフィス営業日)で、 手数料($35)の納入を求めるメールが届きます。手数料は、更新やバニティコールの取得の最にも 都度同額かかります。
        CORESシステムにログインして、クレジットカード等(小切手とかを郵送してもよいみたいです) で支払いをします。
      • ステップアップの場合は、手数料が不要ですので、1〜10営業日 程度で、新しいライセンスが登録されます。
      • 手数料納入後、即日〜2営業日程度で、ライセンスが発行された通 知メールが届きますので、メール内のリンクを使用してオフィシャルコピーを取得し、記載事項を確認 します。
      • 念のため、ULSシステムにログインして、自分のライセンスが表 示されることを確認してください。
      • 以上で問題がなければこのまま終了です。問題がある場合は、まず はVEチームに連絡をしてください。VEチームやVECは「試験に関する資料を最低1年は保管して いて、間違いは致命的ではなく速やかに正される」と案内しています。




 

 

 

 

de JQ2MPJ 湯浅 徹

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