CP5HS 設営記
2018-05-02 作成
2024-04-21 第9改訂
21/28MHzの不調
2024-12-31 〜 2025-01-04
- 書道検定対応や年末の慌ただしさでしばらく使っていなかったのですが、
久々に年末に運用したところ、21MHzのSWRが高め、28MHzが出力100Wを超えると急激にSWR
が上がる、他バンドもSWR計の針が不安定に動くなどの不調が出てきましたので、この年末年始を利用して点
検を行うことにしました。
- 大晦日の31日午後から、まず手始めにSWRの点検、21MHzがVの切
れ味が悪く明らか
な異常値となっていましたので、とりあえず21MHzコイルを予備品と交換して調整したところ、21MHz
はすんなり治りました。
28MHzの100W越えからのSWR上昇は、エレメントコイル(水平方向)、給電部コイル(垂直方向)、
Wトラップコイル(垂直方向)を交換しても改善せず、給電部までの同軸ケーブルはダミーロード環境下では
200W入れても全く異常なしでした。予想外の曇天で強風&雨まで降り始めたため、本日はNYPに支障がな
い程度に調整と同軸の簡易防水処置をして、一旦終了としました。
↓現用(修理品) ↓予備品(純正新品)、きれいなVです。
↓28MHzの現況(特に異常ではない)
- とりあえず外した21MHzコイルは、
元旦の午前に室内で点検。これだ!というダメそうなところはなかったのですが、かなり発熱した形跡があ
り、ガラスチューブ巻きのコイル心線がボビンと若干溶融し、外側方向の半分程度のコイルの巻きが緩んで
いました。ただ、コイルの心線自体はUEW被覆も溶けていませんし、ガラスチューブも問題ありません。
耐熱という点では問題なく、コイル心線同士の短絡は見られませんでした。コイル緩みを巻きなおしたとこ
ろ、約1cmぐらい心線が余ってしまったので、カットするしかないので切りました。多分、ボビンに心線
がめり込んだ分、円周が短くなったのでしょう。コイルが短くなりましたので、これで今までより調整エレ
メントを長く調整しなければならなくなると思います。
- 元旦早々に屋外アンテナを触る気にはさすがにならないし、2-3日は
NYPや初詣等で忙しいので、屋外の再調整は4日の午後から再開しました。31日とは大違いで風もほとんど
なく快晴、ジャンパーがなくても少々暑いと感じるぐらいの陽気でした。3日間いろいろ考え、とりあえず
28MHzは元々SWRの良好な範囲が広く、あまり発熱もしないので、ほぼVの中央に調整、21MHzはコ
イルのまき直しをしたのが効果あるかの点検をかねて再セットです。また、31日に仮交換したけど関係のな
かったWトラップをもとに戻しました。給電部は修理品性能テストのため、2024年5月に修理したものをそ
のまま使うことにしました。
- 結果、28MHzはエレメント長+40mm調整でごまかし、21MHzは
コイルのまき直しが少しは効果があったようで、Vの切れ味は依然悪いですが、少し切れるようになってSWR
は改善して使える範囲になりました。21MHzはエレメント+220mmとコイル心線1cmがかなり影響し
ていますが、なんとか調整範囲内で済みました。他、少々ずれていた7MHzを+20mm調整。点検のため一
旦外したM栓はすべて融着テープ巻きで防水処置しました。しばらくこれ
で様子をみたいと思いますが、21MHzの切れ味の悪さは気になりますので、もう一巻き増やしての巻き直し
も検討した方が良さそうですね。
- エレメント長現況:7MHz/440+20、14MHz/680(調整な
し)、21MHz/450+220(純正は455)、28MHz/740+40
21MHzラジアルコイル焼損種
類&改良
2024-04-20
- 2か月ほど前から、21MHzがチューナーなしではリニアからHSWR表
示で警報が鳴ることが増え、ちょっと調子悪いなとは感じていたのですが、ここ直近はチューナーなしでは整合
しなくなりました。また、28MHzも少々SWRが高い値になっています。よって、アンテナに異常があると
思われるので点検を行いました。結論としては、21MHzコイルのボビンが溶けたことにより、隣接する線同
士が導通してしまった、いわゆる焼損でした。
- 現状値
21MHzはかなりズレてしまっており、アマチュアバンド外で共振しています。28MHzも高い値となって
います。2バンドに影響が出ていますの で、まず給電部の点検を行いました。
- 給電部点検
左:正常(在庫)品 / 右:現用品
以前の給電部チェックで、21MHzはコア付きケーブル使用で59.2Ωとの値でしたので、現用品も
58.3Ωとほぼ正常値です。以前の給電部故障時は37Ωと明らかに違う値が出ていました。念のため一旦在
庫品に交換してみました。しかし、21MHzのSWRの結果は同じでしたので、やはり給電部は正常のようで
す。接合部のアルミさびの除去や防水テープのまき直し、M栓の接合部の点検をついでに行い、異常なしで元々
ついていた現用品に戻しました。
- ラジアルコイル点検
昨年2月の点検でラジアルコイルを分解しても異常がなかった…という苦い経験がありましたので、現用品のコ
イルを分解する前に、切り分けのため予備在庫の21MHzの新品ラジアルコイルに交換してみました。
現用品の21MHzコイルは、2022年5月の修理品コイルなので、新品とは
特性が違うので同じエレメント長ではズレてはいますが、エレメントを2センチほど調整しただけで、整合しま
した。どうやらコイルのようです。
分解してみたところ、見事に溶けていました。初期修理品なので、UEW線ではない純正のスズメッキ線の流用
品なのでボビンが溶けて隣接する線と導通しています。
2023年2月の給電部焼損時に、ついでに14MHzだけ対策していた、UEW+ガラス耐熱チューブ
(180℃)仕様で再修理しました。14巻きです。UEWは元々130℃耐熱です。UEW被覆が溶けて…と
いう不具合はまだ起きていないのですが、絶対に二度と手入れしないという思いで、耐熱性向上で14MHzに
採用して以降、1年以上14MHzの再修理はありませんので、この際21MHzにも採用しました。初期修理
品はほぼ純正を模したので、専用の金具にハンダで線を取付という面倒な仕様でしたが、14MHzで採用済み
で実績のある、ねじ部分のみUEW皮膜を削り、ネジで直接締め付ける方式としましたので、ハンダは一切不使
用で比較的おてがるに修理できます。
修理後の再封の方法も、初期のシリコン+アルミホイル+防水テープ仕様から、14MHzで採用していたアル
ミホイル+ホースバンド仕様に変更しました。アルミホイルむき出しでも14MHzで1年以上損傷なく、共振
しています。筒の外周が40mm程度になるまでホースバンドを両均等に締めれば良いので、おてがるですし、
シリコンの乾燥を待つ必要もありませんので数時間で修理完了できます。水抜き穴は忘れずに開けます。
予備品は今回のような切り分け試験用も兼ねているので、これをそのまま使用して故障させてしまうと面倒なの
で、即日修理したものを再度取付しました。純正と同じ14巻きで修理しましたが、耐熱チューブ分でコイルの
間隔が変わったのが影響しているのか、純正同じエレメント長だとかなり短い共振だったものの、エレメントを
ほぼMAXまで出して、何とか目標周波数で共振しました。
次回もし修理することがあるなら、もう1巻ぐらい追加してコイルで稼いでおくと、純正と同じエレメント長で
いけるかもしれません。
給電部の損傷による交換修理と
14MHzラジアルコイル改良
2023-02-18
- 2023年2月11日の夕刻に、ペディション局3Y0Jを14MHzで1
時間ほどコールしていたところ、14MHzのSWRが異常を示しました。この3Y0Jとは結局QSOできま
せんでしたし、結果、これはどうやらニセモノ(pirates)だったようなので、ただアンテナに負担をか
けて破壊してしまっただけという残念な結果に終わりました。
このアン
テナは14MHzと21MHzが互いに影響し合っ
ていて、当日使っていない21MHzもつられてSWRが5といかれてしまっています。
- まずはいつものラジアルコイル焼損と考え、コイルを分解してみました。し
かし、予想に反してコイル銅線がほんの少しボビンにめり込んでいた程度で、UEW被覆も損傷(導通)はな
く、異常ありませんでした。特記事項としては、外装に巻いているアルミホイルが、経年のせいでしょうか、
くっついてしまっていて剥がすのに苦労はしました。冬なので外気温で冷やされますので、そこまで高温には
なっていなかったという診断結果です。
- せっかく開封したので、2022年6月の修理で次の一手の為にストックし
ておいたガラス繊維チューブ(180℃耐熱)を巻きます。チューブの影響で線の外径が太くなり、コイルが巻
ききれませんでしたので標準26巻きから-1の25巻きでとりあえず終えました(結果、目標周波
数+400kHzとかなり短く程度共振してしまい、エレメントの伸縮で対処できる範囲外となり失敗でした。
やはり短縮したのはまずかったです。)
- 上記で修理した14MHzエレメントを装着しても、プアなのは変わらず、
予備の14MHzラジアルに交換しましたが変わらず、更に修理歴のある21MHzもSWR上はおかしくなっ
ているので交換してみるもプア。垂
直方向のコイルかと思い交換しましたが、変わらず。他のエレメントのねじ込みの緩みなどないか点検し異常は
なし。リグから給電部前にあるコモンモードフィルターまでのSWRも異常なし。一応、エレメント
調整をするとSWR6程度までは落ちる(外すと10
over)ので、反応はあるのですが。7/28/50MHzは異常なし。同軸ケーブルもダミーで終端して、SWR1.04(48Ω)でまあ異常なし。
消去法であとは給電部かその直下のケーブルしか考えられないので、前回交換から補充していなかった給電部と
7MHzラジアルを注文して、12日の修理作業はいったん終了しました。7/28/50MHzは全く異常が
ないので、この時点では、給電部とはなかなか考えにくかったです。
- 注文していた給電部が届きましたので、18日に修理を再開しました。とり
あえず旧の給電部を取り外し、コモンモードフィルタから給電部までのコア付きケーブルをダミーロードで終端
してテストし異常なし。これで同軸系には問題がないことが確定しました。
何らかの方法で給電部をチェックできないか思案し、アンテナアナライザーで全パラ
メータを見てみた結果は次のような感じでした。こんな普通な接続です。
- 故障品(ただし、7/28MHzは正常に動作していた)
- 故障品(コイルまき直し修理後)
- 正常品1(新品)
- 正常品2(新品、こちらをつけた)
注)この測定に使用した同軸ケーブルは実際に給電部に使用しているコア付きケーブルで、上3つの測定に
使用したケーブルとは異なるため、値に信頼性がないかもしれない。
- これが正しい測定方法なのかは分かりませんが、うちにある測定器はこ
れだけですので、やれることをやってみただけです。SWRの値に注目するなら、総じて故障品(コイル焼
け)は低い値に
なっています。周波数が高くなるにつれて、SWRは低くなっていくようです。正常品は∞〜26の間で
す。故障品は39〜7.7の間となっています。1つの指標として、給電部のSWRが全体的に低い場合は
故障が疑われるということです。
- これだけ値が違うと、何らかの異常
がある可能性が高いので、新しい給電部
に交換。給電部交換による若干の共振周波数のズレは発生しましたが、調整後しっかり目標周波数に共振させる
ことができました。
- 【その後】給電部を分解しました。コイルの被覆が溶解し導通していま
したので給電部損傷で確定しました。エレメントコイルを強化しても、ここもやられるといういい勉強にな
りました。ここは冬でも冷えにくそうです。
ダメ元でコイルを巻きなおしました。手持ちの130℃耐熱のUEW被覆電線です。手巻きで巻きにくいの
で空隙ができてしまい、純正のようなきれいな巻きではありませんが、上述測定値のとおり、驚くほど正常
品1に近い数値に回復していますので、問題なく使えそうな感じはします。折を見てこの修理給電部を使用
するテストをしてみたいと思っています。ここは狭すぎなので、耐熱ガラスチューブは使えなさそうですの
で耐熱性UPは難しそうです。
↓ 修理前 ↓ 修理後
- しかし、14MHzだけは、前述の通りの早とちり修理でコイルを短くして
しまいましたので、+400kHz程度短く共振して
しまっていて、エレメントでの調整範囲外となってしまっていますので、コイルのまき直しです。
- 標準は26巻きですが、これはあえて28巻きにしています。もし長す
ぎたら切ればいいので。短いのは全部ま き直しなので。
- 耐熱ガラスチューブがストックしていた2mでは足りませんでしたの
で、比較的溶けやすい中央部に巻きまし た。
本当はボビンもかなり変形しているので作り直すつもりでVP20の塩ビ管(内径20mm)を買ってきた
ので
すが、内径がドンピシャすぎて入りませんでしたので、今回は断念しました。また次回までにボビンの代用品を
探します。
コイル巻き数を+2しても前回2022年6月のエレメント長440mm(これはコイル成分が長くなった
ので
エレメントが短くてよかった)の修理時のものより、まだコイル成分が短く、エレメント長は677mm(純正
530mm)で、目標周波数に共振しました。純正よりもコイル成分がまだ短いのですが、エレメントの調
整範
囲内に収まり、他のバンドも特に影響はありませんでした。このあたりは給電部との相性にもよるかもしれませ
ん。
- どこかの記事で読みましたが、このタイプのコイルは巻き数や線径はも
ちろん、ねじ止めされているアルミ棒の
挿入深さと外装アルミパイプとコイルとの距離も共振周波数に影響するらしく、確かに外装のホースバンドをきつく締めたと
きと止まる程度に締めたときでは周波数に100kHz程度の差が見られましたが、構造上アルミパイプが
強度
部品もかねているので、外装を緩めると強度が甘くなるので、できるだけコイルの巻き数で調整する方がいいで
しょう。
- エレメントコイルをいいかげんに測定した感じ(新品)
- その後、150wにて交信試験を行い、アフリカやアルゼンチンまで元々ぐ
らいには飛んでいましたので、これで完了とします。
14MHzの焼損による自己修理(改良部あり)
2022-06-19
-
2022年6月16日に、ギニアとのQSOで20分ほど200wフルパワーでコールしたところ、SWRが8となり異常を示しました。過去の記事のとおり原
因はボビン融解によりコイル線が離隔距離を保てずに接触し、プアとなったものでした。
-
今回は1つ改良として、コイル線を純正のスズメッキ銅線からUEW銅線(エナメル線の代替品)に変更かつ、修理がしやすい方法にトライしてみましたのでそ
の記録となります。
-
改良点(1)
エレメントとコイルの取り付けをM4ネジだけにした。ランプレセプタクルの輪づくりの応用で、コイルの銅線をM4
ネジに巻き付けて締めただけです。UEW被覆を予め取っておくとよいと思いますが、うっかりそのままつけてしまいま
したがネジ締めで被覆が損傷したのか導通していました。面倒なはんだ付けがありませんので、再修理もおてがるです。
-
改良点(2)
コイル銅線を純正のスズメッキ銅線からUEW銅線に変更した。何度でボビンが融解しているのかも分かりませんの
で、とりあえず耐熱130℃のUEW被覆がされた銅線です。被覆がありますので損傷したボビンに巻き付けて線同士が
接触しても問題はありませんので、再修理向けの線です。写真のように接触しても空隙があってもあまり特性は変化しま
せんでした。巻き数は24巻きです。
-
改良点(3)
殻割りした外装の処置方法を、アルミホイル巻き付けでホースバンド締めに変更してみました。シリコンを使わないこ
とにより、シリコンの養生時間や除去の手間が不要となり、再修理や点検時にすみやかに外装を取り外すことができま
す。
-
1度取りつけて試験しましたがなぜかプアです。そこでUEWの被覆を剥がしていないことに気づいた訳ですが、導通はありました。やはりアルミホイルに問題
があるのかと思い、テストだからと2回巻程度だったのを40cm程度の長めにしたところ、共振しました。
純正よりコイルが長めになっているようで、エレメントは短め(純正530mm→改良440mm)の調整になりまし
た。多分ですが、ボビンが損傷しているので全体的に線が長めになっているものと思います。
-
これで再発した場合、コイルが130℃以上に発熱していることになりますので、その場合は耐熱180℃のガラス繊維チューブを併用してみたいと思います。
21MHzの再焼損による自己修理
2022-05-07
-
2022年5月4日に、GWでかなり頻繁にQSOしていたのと、季節柄ハイバンドが調子よく、21MHzで新エンティティを粘っていたところ、21MHz
のSWRがまた異常を示しました。間違いなく焼損だと思い、新しいラジアルコイルは発注しましたが、使えそうな部分
のある7MHzのボビンとコイルを流用して修理ができないか、トライしましたのでその記録です。
-
結論から言いますと、成功しましたので、下記手順を残しておきます。写真は大きめにしてあります。
-
コイル両端のゴムは、接着等はされていないのでズラせば外れます。
外装のパイプをグラインダーで割りますので、なるべくまっすぐ切れるようにガイド線を引いておきます。
-
カラーにもガイド線を引いておき、後から方向などが分からなくならないようにします。
初め、両端から切って2分割にする予定でしたので、ガイド線が2本ありますが、実際は1本切り裂けば抜けます。
-
外装パイプを取り外した状態です。
-
前回ほどではないですが、ボビンが溶けてコイル同士が接触しています。これではプアでしょう。
-
まずは構造を確認します。
左端のカラーは、タッピングビスですので、ビスを外せば、少々固いですが左方向に抜けます。
-
こんな感じで簡単に抜けます。そして、ボビンとコイルの接合部は、カシメになっています。これは破壊するしかありませんが、凹んだ位置にカシメがあるた
め、2.0→2.5→3.0mmの順で慎重にドリルで破壊します。そんなに固い材質ではありませんが、一気にやると
上だけが空回りしてしまい、破壊が難しくなります。ドリルの歯がカシメに食い込まないよう、やさしく切削していきま
す。
ボビン部の2か所のカシメを破壊し、コイルの接合部品を軽く持ち上げれば、コイルボビンも抜けます。
-
このコイルの接合部品は、再使用しますので破壊しないように取り外し、コイルのはんだ付けを取ります。
カシメがM3なので3mmの穴が開いていますが、芯の方も3mm穴ですのでそのままM3ネジを通すのは不可能です。
ワンサイズアップして、M4ネジを使用することになりますので、穴を4mmであけます。ただし、電動ドリルなど使用
すると、真ちゅう製なので容易にくしゃけて使えなくなりますので、手ドリルで慎重にやります。材質がやわらかいので
手ドリルでもそう苦労せず開きます。
芯の方は、そのままM4のタップを切ればよいです。
-
コイルボビンと新しいコイルを用意します。コイルボビンは5cm、コイルは12巻きです。私は、いずれも7MHzのボビンとコイルの使える部分を切って再
利用しました。
-
ボビンをはめて、コイルの接合部2個所を取り付け、コイルを12巻きして接合部とはんだ付けすればOKです。以下は修理後です。
-
カラーを戻します。この時点で、導通は念のためチェックしてください。右端のネジ部と左のエレメント間で導通があればとりあえず問題はないです。
-
割った外装を戻し、シリコンで埋め、一晩放置します。
-
Cクランプを外してしまうと、シリコンだけではパイプが外に開こうとする力に耐えられませんので、防水カバーを取り付け、インシュロックでしっかり固定し
てからCクランプを外します。
-
インシュロックの締め部は、水抜きの位置に合わせました。
しかし、この状態で取り付けたら、全く共振せず、プアでした。失敗かと思いました。
-
唯一思い当たることと言えば、外装パイプを切断したので、コイルの周りが完全に囲まれなくなったことです。コイルの近傍にある金属がコイルに影響を与えな
い訳がないと思い、ダメ元でアルミホイルを巻いてみたところ、しっかり共振し、焼損前と同じエレメント長でしっかり
目標周波数に共振しました。
最後に、エフコテープを巻いて防水します。
-
完成です。水抜き穴の確保をお忘れなく。
この後、とりあえず70Wで、USAとスペイン、オーストラリアと21FT8でQSOできましたので、しっかり性能
も戻ったようです。
-
今回は、私にはある程度焼損部の少なかった7MHzのコイルとボビンがありましたので、それを補修部品として流用しましたが、コイルとボビンの入手が肝に
なりそうです。本当はもう少し耐熱性のあるボビンを代用品で使いたいのですが、それで特性が変化してしまっても私に
は計算とかができませんので、詳しい方の挑戦をお待ちしています。
7MHzコイルとボビンはあと21MHzならあと2回分ありますので…でも焼損はコリゴリです。
コイル焼損による改良及び修理
2022-05-07
移設よる共振周波数の変化の追跡と調整
2021-05-14
移設よる共振周波数の変化の追跡と調整
2021-05-14
新規設営
2018-04-28
設営
日 2018(平成30)年04月28日 土曜日 12時〜14時30分
設営地 愛知県清須市
設営場所 1階トタン屋根部
購入の動機
年初のHFデビューのために新たに購入したATAS-120Aですが、
1.バンド変更ごとのチューニングし直しが意外と時間がかかって煩わしい。
2.雨天や風に弱い
(過日いきなり突風が吹き、ATASが屋根上で倒れ、幸いにも地上には落下しませんでしたが、もし落ちていたら約4
万円がパー)
3.2の理由により、運用の都度、トタン屋根にマグネットで設置しているが、毎週屋根に上がるのは非常に手間がかかる。
4.受信がやはり弱い。他局が呼んでいるDX局のほとんどがこちらでは受信できない。
(これは、当局は四方のうち南北は自宅より高層の建物に囲まれているというロケーションの問題も大きいと思いま
す。)
5.2アマ取得に伴い、QROを考えているが、ATASは120Wが最大。
ということで、常設のアンテナが欲しくなったのが購入の動機です。
CP5HSを選択した理由
1.改良品CP5HSUが発売され、型落ちとなったことから値段が格安。(\29,800)
2.長さが比較的短い(3.6m)。あまり長いと、設営や維持が大変。
3.ATASで一番使用感が悪い7MHz帯を含む、14/21/28/50の合計5バンドを使用できる。
調査及び注文
まず、深く考えず安さで買ってしまいました。
その後、説明書を確認し、事前調査を行い、
・ケーブルは、現状ほとんど利用していないGP-3で利用している8DFBをそのまま使用する。
(1)伴い、GP-3は屋根から降ろす。
・GP-3が設置されている、瓦屋根上部には上げない。
(1)設営後もエレメント調整などの作業が発生するため、設置は傾斜の少ないトタン屋根上とする。
(2)GP-3の跡地にそのまま設置すると、西方隣家のTVアンテナの位置、高さともに真隣になるため、基本波による
TVIの発生を懸念。
・各エレメントは、FT8運用周波数を中央(SWR最良点)とする。
(1)7MHzが思ったより同調バンド幅が狭いため、良い効率及び電力を必要とするDX(7.076)をSWR最良点
とし、国内(7.041)は、2以下でほどほどの調整にする。
・屋根馬及びポールはφ30のものを新調する。
設営当日
商品は、販売店に取りに行くこととしたので、道中ホームセンターに寄り、屋根馬、ポール、ポール側ステー金具、屋根側ス
テーワイヤーを購入し、販売店で商品を受け取り。
帰着後12時から作業開始。
1.GP-3の撤去
2.アンテナの仮組付け(スケール感をイメージするため)
3.屋根馬の設置(水平出し、ステーワイヤー新設、屋根馬固定)
4.ポール高さ調整(アンテナを組付けた状態で、できるだけ高く、かつ屋根に立った時にエレメントに手が届くギリギリの
高さを狙った)
5.給電部接続
6.ポールのステーワイヤー固定
7.上部取付
8.各エレメント組付け
(屋根上作業スペースを確保するため、西方へ寄せて設置したため、ラジアルを放射型にすると隣家の敷地に入ること
から、ワンサイド型ラジアルにしました。)
ここまでで14時30分完了
その後、試験電波を発射しながら調整しましたが、一人作業のため、機材一式を屋根上に仮設しての大作業。
試行錯誤しつつ、7MHz帯以外は希望周波数でSWR1.5以下となり、とりあえず完了。14MHzは、免許後調整の予
定。
ここまでで17時完了
7MHzは、DX周波数で1.2、国内周波数で1.8程度で調整を終えたものの、交信する度にSWRが徐々に上がってい
き、その後突然SWRが2〜3 OVER
となる現象が発生。SWRが極端に高いため、回り込みが発生し、HSWR警告なしでトランシーバーの送信も止まるほど。
7MHzのSWR対策
4
月28日夜
たまたま、翌日から東京へ旅行(ニコニコ超会議)のため、秋葉原へ寄ることができるので急いで(一晩で)対策を考えた。
・改良品(U)は、従来品のウィークポイントとなっているマスト及びステーに電波が乗る問題を解決するため、
(1)アンテナマスト取り付け部に絶縁体を追加 →ポールにゴム
シートを巻き付けてみて実験してみる
(2)フェライトコア付同軸ケーブル標準付属 →フェライトコア
をつける
・従来品でも取説に「ステーにはアンテナから1m以内で碍子で絶縁」と記載がある。 →碍子をつける
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4月30日(秋葉原)
8D対応フェライトコア、碍子、M-P端子(端子の劣化を考慮して念のため)を4月30日に秋葉原で購入。
ついでに、GPD
Pocketなる小型PCを見つけ、あの小ささでWindows10ということに大感激し、衝動買い…
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5月1日早朝 晴天 次の対策を実施
(1)アンテナマスト取り付け部にゴムシート(手持ち品)を挟んで絶縁
(2)フェライトコア1個を給電部同軸ケーブルへ取付
対策後、QRVしている時間はないのでとりあえず出勤(出勤日でした)。帰宅後、夜間にQRV。
DX帯でのSWRは1.2→1.1以下(針はほどんど振れない)、国内帯でも1.8→1.5と思っていたよりも非常に良好
な結果となりました。
DX帯では、ブラジル局(18700KM)からR-14を、アメリカ局(8600KM)からR-18を頂きましたので、よ
く飛んでいると思います。
ちなみに、初ブラジルでした。その後数局とQSOしてもSWRが上がることはなく、安定していました。
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翌日5月2日 雨天 帰宅後、夜間QRV。
DX帯ではSWRが1.8まで上昇し、国内帯では1.1以下(針はほとんど振れない)と逆転。
雨でゴムシートが湿って絶縁が悪くなったのかと思いましたが、なぜか国内帯のSWRがよくなっているのです。
えーっ!となりましたが、色々調べたところ、雨でアンテナが濡れると低い方へ同調周波数が移動するというのはよくある現象
のようで、正常と判断。こんなことも知らなかった自分が恥ずかしい。
とりあえず、ステーへの碍子取付は様子見にしていますが、ゴムシートは高温下や直射日光ですぐダメになる可能性があるの
で、様子を見ながら、もうちょっと耐久性のある材料も(塩ビ管とか)検討します。
ちなみに、GPD
PocketにWSJTなど一式入れてQRVしてみたら、強電界下でも高周波による影響は何の問題もなくQSOできました。
うちのデスクトップでQSOすると、マウスが応答しなくなり(一旦USB抜き差し必要)、ノートでやるとマウスカーソルが
勝手に動く(これは電源、マウス、SCU17のUSBケーブルにフェライトコアを取り付けたら問題なくなりました。)という
問題が発生している中、何の影響も受けないとはGPD Pocket意外とすごい。移動運用時にはこれでいいかも!
経費
CP-5HS本体 29800円
アンテナマスト、屋根馬、ステー金具、支線止め 6461円
フェライトコア 2360円(4個買った)
碍子 1200円(3個)
M-P端子 820(2個)
合
計 40461円
雨による共振周波数の変化の追跡と調整
SWRメータ+試験電波での調整をアンテナアナライザーで測定した結果
目標周波数 |
晴天 |
|
|
雨天 |
|
|
|
|
|
SWR |
共振周波数 |
共振点
SWR |
SWR |
共振周波数 |
共振点
SWR |
差 |
共振
範囲 |
7041kHz |
1.69 |
7061 |
1.05 |
1.10 |
7039 |
1.11 |
-22kHz |
28kHz |
7074kHz |
1.48 |
7061 |
1.05 |
2.38 |
7039 |
1.11 |
-22kHz |
28kHz |
14074kHz |
7.19 |
14304 |
1.28 |
6.45 |
14249 |
1.23 |
-55kHz |
100kHz |
21074kHz |
1.44 |
21134 |
1.07 |
1.46 |
21014 |
1.07 |
-120kHz |
200kHz |
28074kHz |
1.66 |
28289 |
1.02 |
1.22 |
28154 |
1.04 |
-135kHz |
250kHz |
晴天時 2018-05-15 20:20 24.9℃/52% 晴天
雨天時 2018-05-18 23:40 27.2℃/57% 雨天(短時間集中豪雨)
(1) 雨天時に、共振周波数が下がるというのは結果としても間違いなく出ています。
(2) 14MHz帯が大幅にズレているのは、初回調整時はSWRメータ+試験電波で調整を行ったため、免許手続き中の
14MHzは試験電波が発射ができないため、そのままメーカー推奨値を使用しているためです。
問題点
(1)共振範囲(VSWRが1.5以下の範囲)が、28kHz(±14kHz)と狭い7MHz帯で、22kHzもズレが生
じるため、7041と7074kHzの両方でそこそこのSWRで共振させるには、晴天時の7041か、雨天時の7076のい
ずれかは切り捨てる必要がありそう。
(2)14MHzの共振最低点が1.23と他のバンドに比べて若干高めである。
改善案(2018-05-19版)
(1)7MHzは現状維持(晴天を優先かつ大電力と効率が必要なDX用7074kHzをなるべく低めにもっていく)
(2)14MHzは、アンテナアナライザで目標周波数+25kHz(≒14100kHz、晴天時)を共振点にする。雨天時
にズレても14045kHzとなり、SWRの極端な変化はなくなるはず。
(3)21MHzは、同様の根拠で目標周波数+60kHz(21134kHz)だとドンピシャ。今のところ晴天雨天ともに
SWR1.5以下で均一なので、現状維持。
(4)28MHzは、同様の根拠で目標周波数+67kHz(28141kHz)に調整する。
14MHzを含めた調整と避雷器の取付
6月7日に14MHz帯の許可が下りたため、14Mを含めて、2018-05-19版の改善案にて調整を実施したところ、14Mがエレメント長を変化させても共振点が変化しないとい
う問題が判明。原因を探るべく次を順次試してみた。
(1)ワンサイドラジアルを放射型ラジアルに変更 → 14Mの現象は変化なし
(2)全ラジアル標準寸法へ戻し → 14Mの現象は変化なし
(3)思い切って14Mだけラジアル取付 → 14Mの現象は変
化なし
(4)ステーバインド線8本への碍子追加 → 各バンドSWRが0.2ほどよくなったが、14Mの現象は変化なし
(煮詰まり、この時点でメーカーへ技術相談)
(5)給電点直下へのフェライトコア追加を1〜3個ほどつけてみる → 付けるほどSWRが悪くなるため全部撤去
(6)M接栓の交換 → ほぼ変化なし
(7)7と14Mのラジアルはできるだけ離す → 180度真逆にしてみたが、14Mの現象は変化なし
(8)アンテナ(コイル部の導通とネジゆるみ)チェック → 異
常なし
(9)同軸ケーブルの交換 → 正解
確認のため交換調整後、新しい同軸ケーブルと古い同軸ケーブルをつないで再測定すると、やはり14Mがおかしくなるので、
どうやら同軸ケーブルに何らかの問題があったようです。引き込みし直しはちょいと面倒なので、引き込み点でカットして新しい
ケーブルと更に下準備済みの同軸避雷器を接続して、ひとまず完了。
追加経費 碍子(プラ製)4個、同軸ケーブル8D-FB-LITE 10m 計6912円
(2)で全ラジアルの寸法をリセットし、ラジアルも放射型もどきに変更したので、全バンド調整し直しとなりました…
現在は、見通しを著しく妨害する3階建て建物を避ける形で、「放射型もどきラジアル」で配置しています。
目標周波数 |
晴天 |
|
|
雨天 |
|
|
|
|
|
SWR |
共振周波数 |
共振点
SWR |
SWR |
共振周波数 |
共振点
SWR |
差 |
共振
範囲 |
7041kHz |
2.12 |
7081 |
1.25 |
1.23 |
7054 |
1.38 |
-27kHz |
28kHz |
7074kHz |
1.07 |
7081 |
1.25 |
2.03 |
7054 |
1.38 |
-27kHz |
28kHz |
14074kHz |
1.46 |
14114 |
1.10 |
1.80 |
14014 |
1.23 |
-100kHz |
100kHz |
21074kHz |
1.41 |
21034 |
1.31 |
2.32 |
20894 |
1.15 |
-140kHz |
200kHz |
28074kHz |
1.19 |
28134 |
1.09 |
1.18 |
27994 |
1.07 |
-140kHz |
250kHz |
晴天時 2018-06-13 20:45 25.9℃/56% 快晴 (ケーブル交換と調整後)
雨天時 2018-06-20 07:00 24.4℃/66% 雨(本降り)
問題点
(1)以前のワンサイドラジアル測定値より、晴天と雨天時の共振周波数の変化の幅が大きくなった。ラジアルの配置が影響し
ているかも。
(2)14と21Mの晴天と雨天時の差をもう少し平均化したい(特に21M)
改善案(2018-06-20版)
(1)7MHz … 7041(国内)は、アナライザでは2.12ではあるが、国内QSOの30W程度の出力だと、実運用
でSWR計が示す値は1.8程度なのでとりあえず現状維持
(2)14M … 雨天時が若干高いが、改善案05-19版の共振周波数にはなっているのでしばらく経過観察
(3)21M … 元々、晴天時の共振周波数が低い方への調整なので、雨天で更に共振周波数が下がってSWRが悪化してい
る。21074+70kHz=21144kHzを晴天時共振周波数に設定してみる。
(4)28M … 共振範囲が広く、計算上の最適共振周波数28074+70kHz=28144kHzと現在の晴天時共振
周波数28134kHzは10kHz程度のズレでSWRもほぼ変化ないため現状維持
(5)50M … 共振範囲がかなり広いので、標準寸法そのままでもSWR計で1.7程度(アナライザは測定範囲外)、原
始的な方法(周波数を少しづつずらして試験電波出してみる)で探るとちょうど51000kHzあたりが現在の共振点
(SWR=1.0)のようなので、底を50313kHzで狙えればSWR=1にできそう。
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