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第二級アマチュア無線技士 受験記

 2018年04月08日 作成

  受験日 2018(平成30)年04月08日 日曜日 午前試験9時30分から2時間30分 午後試験13時00分から2時間
  試験地 名古屋(中産連ビル)
  志願者数 39名 (受験番号数、欠席者不詳)
  合格者数 13名 (合格率 33%)
  対策期間 3か月間(10年前に3アマ取得、開局歴14年)


受験の動機

 1999年(中学2年生)に4アマ(一回不合格でした)、2008年に3アマ(一発合格)を取得し、移動運用で許可される最大電力50Wを扱えることからこれに十分満足し、約10年間過ごして来ましたが、今年の年初より始めたJT65/FT8モードで今まで遠い存在だったDXに目覚め、やはり2アマからの特権である「国際14Mバンド」に出たいという気持ちが徐々に高まり、3アマを取得して以来、実に10年の歳月を経て国家試験に臨むこととなりました。

 もちろん200Wも魅力ですが、これを実現するには免許の他、それなりの設備投資やインターフェアの危険が少ない住環境なども必要で、これだけを目標とすると、結局頑張って取得しても意味ないかな?とモチベーションが下がってしまうところですが、今、まさに目の前にあるリグでも免許さえあればすぐできる14MへのQRVは、2アマを取得するという自己努力のみで達成可能な目標であり、取得すれば14Mを使えるんだ!という気持ちは、モチベーションを大きくし、ついに受験を決意するに至りました。

 また、少し邪道な理由ですが、私の3アマの免許証は、一世代前のラミネートタイプで、これは旧運転免許証や旧定期券程度のサイズであり、現代においては色々なカード類がクレジットカードサイズに統一されていることから、財布に旧定期券サイズの免許証を入れる場所はなくなってしまい、実際財布に入れて携帯するにも苦労します。実際、お札やレシートを入れる所に一緒に入っている現状です。

 現在の免許証は、プラスチック製でカードサイズ、かつ、英文併記(アマと一部プロ資格のみ)で、ビジュアルも富士山の偽造防止ホログラム入りのかなりいいデザインに変更されており、いずれは3アマを再交付するか、上級を取得するかしたいと思っていたこともありました。


養成課程との違いについて

 2アマも、いつの間にか養成課程で取得できるようになり、一応体験版システムを覗いてみましたが、オンラインで所定の教科書本を読みながら、単元ごとの中間試験(小テスト)と、判定試験(効果測定試験)に合格(ここまでは自宅で可)後、修了試験を受験という流れのようです。

 動画で基礎からみっちり教えてもらえるなら、工学を1から学習するいい機会と思っていましたが、結局教科書自習なら国試でもやることは同じですから、私の中では早々に候補から外れました。従来の3,4アマのような対面形式もあるようですが、日数が鬼です。時間に縛られない方以外は、難しいでしょう。

 養成課程の利点は、

 ・修了試験の会場の選択肢や日程が広がる。
  筆記か、CBT(近くの指定のテストセンターでパソコンで試験)を選べるので、国試会場が遠方でCBT会場が近くにあるという場合は、地理的な利点が生かせる。CBTは、会場によりますが、主に土日を中心に平日もあり、1か月に何日も候補日がありますので、とにかく都合のよい日を選べます。
  CBTはITパスポート試験で受けたことがありますが、問題は画面上にのみ表示され、画面で解答で問題に一切書き込みができず、やりにくかったです。一応、メモ(計算用)用A4紙とシャープペンは会場の支給品のみ使用が許されます。

 ・修了試験の問題数が少なくと合格ラインも低い。
  工学20問、法規10問で、6割正答で合格です。なぜか国試(7割)より合格ラインが低く、問題数も工学は-5問。法規-20問とかなり少ないので、そういう点で合格しやすいと想定されます。伴い、試験時間も短いので、国試のように1日丸つぶれにはなりません。


当局の受験対策方針

 主に、計算不得意、暗記大好きな文系向けの対策です。

 実績:1月 モールス符号
     2月上旬 Q、略符号、電波形式、周波数帯
     2月下旬 法規全般(2/18の交信を最後に一旦QRTして本格的に勉強開始)
     3月 工学みっちり、法規は記憶維持程度
       第1週 電気、回路系(前半)
       第2週 送受信機、アンテナ、測定、電源等(後半)
       第3週 問題集反復
       第4週 計算問題反復、昼休み無線工学1日一期
     4月 工学みっちり
       最終週 問題集、計算問題反復、昼休み法規1日一期
       最終日 工学問題集全通し、過去問間違いのみ見直し。法規軽くおさらい。

 ・法規は、今までの運用、実務経験もあるので過去問をちらっとやってみたらそれなりに解答できたが、全くお手上げだった下記に重点をおいて完答を目指していく。
  (1) モールス符号 約1か月
       3アマのときは、モールスは2問しか出題されないので、捨てていました。ごめんなさい。また、実運用でもCWは使っていないので、ゼロからのスタートです。
  (2) Q符号、略符号 約1週間
  (3) 電波型式 約1週間
  (4) 周波数帯(国際法規) 約1週間
  これらは、しっかり覚えれば確実に得点になり、また、(1)と(2)は、合わせて5問程度確実に出題されるのでこれだけで25点取れます。逆にモールスを全て捨てると、不合格ラインが芽を出してきます。
  (5) そのほかの問題は、過去問演習で間違った問題は、「電波法令抄録」を確認し、法令を覚えるのみ。
  まだ試験日まで日数があることから、寝起きでも解答できるように何度も反復、暗唱して確実に覚えるため、(1)〜(4)までで、1月から2月中旬まで主に仕事の昼休みの時間を使いました。2月中旬までは土日は普通にQRVしていました。

 ・工学は、文系のためはっきり言って超苦手なため、完全お手上げです。完答は無理なので目指しません。
  (1) 文章題は確実に完答できるように過去問演習(平成20年ごろまで遡りました)(直前1か月間)
  (2) 計算問題は、自分が解答できそうなパターンのみをピックアップし、反復練習して確実にモノにする。(直前3週間)
  法規は、直前1か月は週末に知識確認のために3期分やってみるのみで、他全ての勉強時間は工学に充てました。電気回路系の計算が、とにかくダメなので、解答や解説を見ても理解できない相性の悪い計算問題は、捨てて本番では特定の選択肢(今受験は「2」)とする。これで本試験では1問拾えました。)


勉強中に感じたこと

 ・法規は、Q符号、略符号はほとんど、「モールス符号」が選択肢になっているので、略符号だけを覚えてもモールスを解読できないと得点できる可能性は低いが、符号がうる覚えでも記憶にあれば、選択肢のモールスをすべて解読すると、正解以外の選択肢は結構めちゃくちゃなのでわかりやすい。更に乱文や英単語のモールスを解答する問題もあるので、モールスを落とすと合格はかなり怪しくなる。

  似てるようで違う制度、例えば、無線設備の設置場所の変更は予め総務大臣の許可が必要なのに対し、無線設備の常置場所は、変更したとき(事後)に届出となる。「送信空中線の構成」と「空中線の指向特性」は、問題内でそれぞれの選択肢がごちゃまぜにされ、ひっかけのようになっているのでそれぞれをしっかり区別する。

  「2分の1」、「0.5%」、「0.025%」など数値系は特に記憶違いをしやすい。些細な違いにも十分目を向ける必要がありそうです。法令集は、正しい条文を理解するために必携です。

 2アマの法規は素直な問題が多いので、ある程度得点できるようになったら、深追いはせず、工学の学習に重点を置くようにすると良いかと思います。

 

 ・工学は、「2アマは工学で落とす試験」ということを念頭におき、しっかり対策する。

  非計算系の過去問は、法令と同様、反復練習により完璧にする。B問題はほとんど過去問ままなので、これは絶対に落とさないぐらいの勢いで。これで最低5割はまず取れると思います。

  他、非計算系変形問題の代表である単位や図記号など暗記で行けるものは覚えておく。例えば、FETの図記号を扱う問題は、計算問題のように変形しやすいので過去問の正答のみをそのまま覚えても使えないことが多いです。矢印の方向や接地されている極を少し変えれば全く違う解答になります。矢印がゲートやベース方向から入っている=N型、矢印がゲートやベース方向に抜けていく=P型、中央はベースかゲート、矢印から遠い方がコレクタかドレイン…のように、自分で覚えやすい特徴をつかみ、変形問題にも対処できる力をつけることが必要です。

  問題集のみではなぜ違うのかが、類似の記号はどうなっているのかなどがわからない場合があるので、別に調べたいときに参照する教科書本を買っておき、調べてみると違いがわかり変形に対応できるような記憶になる。解説付き問題集といっても、全問に解説があるわけではない。

  教科書本そのものを無理に全読破する必要はないし、私も実際読破はしていない。ネット検索でもいいのですが、探す手間と、無駄に多くの情報があり、沢山の情報を頭に叩き込む必要がある試験対策としては、やはり要点のみが書かれているアマチュア試験専用の本がいいと思います。もし、工学をしっかり理解したいのなら、合格後、専門書を片手に悩めばよいのです。まずは、理屈は抜きで試験にパスすることを考えました。

  計算問題も、全て捨てるのではなく、数Tが追試後評定「2」だった計算が大の苦手な私でも、ちょっと基礎となる数字を暗記すれば簡単な四則計算で解答できる問題もあります。

  例えば、
  問題: 「延長コイルか短縮コンデンサか?とか、放射器の長さは?」を問う問題
  対策: 試験に出題されやすい主要アマチュアバンドの波長を、「40,30,20,17,15,12,10,6」(7,10,14,18,21,24,28,50M)と丸暗記し、必要に応じてすらすらと書き出せるようにしておけば、その場で波長を計算する必要はありません。 波長の問題は特に出題頻度が高いので、これだけ押さえれば最低5点頂けます。波長はある程度運用で身についている部分も活用できるでしょう。

  問題: 「半波長ダイポールアンテナに対する相対利得*dB〜〜供給電力の値として」という問題
  対策: 3,6,9dBのいずれかで出題されるので、「2,4,8/倍・3,6,9/dB」と暗記、書き出せるようにしておき、9dBなら電力8倍…のようにすごく簡単に考える。

  問題: 「1/4波長〜〜放射電力を*Wにするためにアンテナに供給する電流の値と〜〜」という問題
  対策: 折り返し=292(この設問での出題歴はないが、他問題で出る)、半波長=73、1/4波長=36と覚えておく。この数字で問題文の放射電力を割るだけと反射的に対応できます。この問題の割り算の結果は、必ずルートであることを忘れない。計算結果は大体「√2,3,4」のいずれかが多いですから、「√2=1.4 √3=1.7 √4=2.0」と覚えておくと、便利ですし、もし変形して変わったルートになっても、ルートは同じ数同士で掛けたもの(√2なら、1.4×1.4)であることさえ覚えておけば、選択肢の電流の値を同士で掛ければ√になりますから、そのようなアプローチもして間違いを防ぐこともできます。

  計算問題は、とにかく手を使って、実際に紙に書いて解くを繰り返して、この問題ならこの計算というのがスラスラ出てこれば、問題自体は数字が違うだけの過去問なのでやっただけ取れると思いますが、私の場合、電気回路系の問題は覚える計算が複雑すぎて手に負えませんでしたので、やってみて理解できた問題に的を絞って、繰り返し計算しました。答えを覚えてしまいますが、大事なのは計算の過程なので何度もやりました。

  過去問を試験期ごとにやると、その試験期により難易度がかなり変わるのがよくわかります。例えば、私的には2017年4月は難易度が高めですが、同8,12月はかなり易しいなど。受験者が得意とする分野と重なるか、試験期の問題との相性もあるので、そこは運と思うことにしました。

 


受験結果

問題の自己分析(工学)はこちらです。

 ・法規 148点/150点

  ほとんど迷うことなく解答。見直し3回やっても40分ほどで解答終了し、退室可能時間60分まで20分待つほどの余裕でした。
  今回は残念ながら対策(3)、(4)を生かせる問題は出題されませんでしたが、(1)と(2)の対策は完璧で完答でした。
  間違えた問題は、B問題でポカミス1個と、射程外の「電波の規制に関する通信」にヤラレました。そんなことできるんですね!

 ・工学 95点/125点

  今回は、私を含んだ文系にはかなり難問だったかと思います。見直し3回で、50分ほどで考えてもわかりませんから、退室しました。

  電気回路計算系の問題が4問、アンテナ系計算問題が3問、文章題新問又は変形が4問(1アマから降りてきた問題あり)、回路系新問1問 計12問とほぼ半分が新問又は計算問題でした。正直、これほど難しいとは思っていませんでしたし、演習してきたどの試験期よりも初見も問題が多いことも相まって、難しく感じました。己の無力さを痛感した次第です。これらすべて落とすと、7問越えとなり、不合格一直線です。やはり、過去問丸暗記+計算全捨てでは合格は難しかったようです。

  今回、幸い私の不正答は、電気回路系計算問題3問(1問まぐれ当たり)、文章新1問、変形1問、回路系問題1問で計6問不正解ということで、不合格ライン8問(7問でギリ)寄りではありながらもなんとか踏ん張ることができ、合格となりました。

  対策した非計算暗記部分については完答、簡単にできそうな計算問題のピックアップから2問と、波長問題1問の対策に救われたようなものです。また、運も2問!、FETの図記号の問題は過去問のしっかり矢印逆で変形されていましたが、ここも学習の成果でひっかかることなく完答でした。

  やはり試験期による若干の難易度のゆらぎがあるので、余裕があれば1アマの文章題(1アマの計算題が下りてはこないでしょう)もかじっておくとなお安心かもしれません。


・Web発表(合格認定日4/24の翌日16時発表)

 

・結果通知書はがき(4/26着)

左:今回の2アマ結果通知書  右:3アマ時の結果通知書(参考)
 

画像が無断で一人歩きすることがあるため、氏名は隠しております。

・免許証(4/25郵送発送、5/19着)

念願のカードサイズになり、財布のカード入れに入るようになり、また上級資格となったことで大臣免許になりました。
約11年間お世話になった無地ラミ版3アマ免許証(一番簡素な時期のもの)は歴史書物として書庫でお休み頂くことになりました。


受験を終えてみて

 やはり、勉強の時に薄々感じていた試験期による難易度の差というのは工学ではかなり顕著に表れている感じがしました。昨年8,12月が易しかったので今期はヤバイ感じはうすうすしていましたが、個人的には昨年4月並みに難しかったですが、その分合格の感動は多大なものでした。

 2アマは、やはり「工学で落とす試験」です。非計算問題の丸暗記で5割程度は取れますが、合格はできません。合格ラインを超えるために残りの2割をどう得点するかという点で、計算問題の攻略と、よくある変形問題への対応力、この2点が合否を左右すると私は感じました。

 試験に合格し2アマとなったことにより念願の14MへのQRVが整ったのは最大の収穫ですが、試験勉強を通じてほとんど忘れてしまっていたというか3アマだと完全丸暗記なのでそれよりは無線に関する知識を更に深めることができたのも私にとっては今後の無線活動に大きなプラスであり、勉強期間であった約3か月間はプライベートを犠牲にして会社の昼休みも勉強に費やして、いろいろ苦しいこともありましたが、その分得るものも大きかったと改めて感じています。

 ちなみに、3月は、書道の春季全国検定の提出期間(こちらは自宅受験)とも重なっていたため、1〜3月は書道の勉強(実技)にも時間を割き、このダブルパンチは自分で選んだ道とはいえ、本当につらい感はんぱじゃなかったです。同時進行できたのは、2アマは知識系、書道は実技系と分野がまったく違ったからでしょう。春季の書道検定の方も、仮名科二段に合格できました。

 正直、簡単な試験とは言いませんが、過去問を中心に「この問題自分が変形するならどこを変える?」なんて変形を考慮した少し幅を持った勉強をすれば、合格は難しくはないと思います。これから受験される方々のご健闘をお祈りします!


使用した参考書等

 ・ モールス符号 http://www91.sakura.ne.jp/~kay2/ham/morse.htm
    ※語呂合わせで13通り覚えればOK。私も半信半疑でしたが、本当に解けるようになります。
 ・ 電波法令抄録
 ・ 第2級ハム国家試験問題集
    ※メイン
 ・ やさしく学ぶ 第一級・第二級アマチュア無線技士試験
    ※参考書として。全文読破はしてません。
 ・ 過去問アーカイブ http://www.dental.gr.jp/jh3kcw/kokushi/kokushi.htm
    ※日本無線協会公式では過去1年分のみですので、過去問をやり込みたいときはこちらから。
 ・ 過去問ネット演習 http://dancho.us/
    ※特に工学の反復復習に利用させて頂きました。H26年以降更新がされていないので、これだけで対策するのはお勧めしません。


 

de JQ2MPJ 湯浅 徹

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