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  U.S. FCCライセンス 

 2023-04-24 作成
2023-07-10 1訂



実運用

要点まとめ
1.Part97をよく読ん で、オフバンドや区分違反のないように注意する。
2.ライセンシー(無線設備の所有者)とコントロールオペレータ(運用者)が明確に分離されている。コ ントロールオペレータは自分コールサインと権限を使用して、他のライセンシーのアマチュア無線設備を操 作できる。(日本とは大きく異なる部分)

現在執筆中です


  •  実際にアメリカでリモートコントロール運用してみての覚書です。
  •  ここでの記述は基本的に「エクストラ」クラスの場合のみを想定していま すのでご注意ください。



  • 一般基準
    "97.101.(a) In all respects not specifically covered by FCC Rules each amateur station must be operated in accordance with good engineering and good amateur practice."
    「FCCルールで具体的に定めていないすべてにおいて、各アマチュア局は 優れたエンジニアリングと良いアマチュアの慣習に従って運用されなければなりません。」
    日本の法規には絶対に書かれない一文で、アメリカだなぁと思わせる象徴的な条文です。
    Good amateur practice」はFCC試験にもよく出てき ます。
    FCCルールに定めが ないことは「優れた技術」と「良いアマチュアの慣習」に従い、
    よりよい技術とコミュニティの総意で解決していくことです。


  • ライセンシーとコントロールオペレータ
    • アメリカでは、「アマチュア局の無線設備はアマチュアライセンシー (含む相互承認協定等)の物理的な管理下にある必要がある」とされていて、無資格者が無線設備を管理下 に置くことを禁止しています。

    • 実際に通信操作を行い、送信に責任を負う者を「コントロールオペレー タ」と規定しています。これは必ず資格を持った「人」でなければなりません。別人が操作を行った明確な 記録がない送信はライセンシーがコントロールオペレータであったと推定するとされています。

    • アメリカでは、ライセンシーが承認すれば、アマチュアライセンスを有 するライセンシーとは別人をコントロールオペレータとし、ライセンシーが管理する無線設備を使用して運 用することが認められています。コントロールオペレータは、そのオペレータ本人のコールサインと権限 (資格)でライセンシーが管理している無線局を操作することができます。日本とは違い、ライセンシーの 資格による影響はなく、ライセンシーがテクニシャンであっても、オペレータがエクストラならエクストラ の範囲内で運用できます。もちろん、設備的に無理なことはできませんが。

    • 運用上の責任は、ライセンシーとコントロールオペレータが共同して負 います。



  • リモートコントロール
    • アメリカでもリモートコントロールによる運用が認められています。そ の範囲は日本より広く、包括免許だからこそできる柔軟さです。

    • リモートコントロールの条件は、「FCCライセンス(アメリカのコー ルサイン)を有する者」が、「自身のコールサインと権限(資格)の範囲内で操作」し、「無線局の適切な動作を即座に確保できること」で す。
      非常にシンプルです。
      問題となりそうなのは
      「無 線局の適切な動作を即座に確保する必要」という条件です。
      日本では、「3時間ルール」がありますが、アメリカでは、「3分以内に停波」で す。
      該当するFCCルールを見つけられませんでしたが、エクストラのクエスチョンプールに
      "
      What is the maximum permissible duration of a remotely controlled station's transmissions if its control link malfunctions?"
      「制 御リンクが誤動作した場合、リモートコントロール局の送信の最大許容時間は?」
      という問いがあり、正解が「3分」とされていますので、制御不能になった場合に3分以内に 停波する必要があるようです。

    • 実際に操作を行う場所を「コントロールポイント」と呼び、その場所に 「人」であるコントロールオペレータが必要です。ローカルコントロールの場合は、コントロールポイント は無線設備の前ですが、リモートコントロールの場合、コントロールポイントはPCなどの制御装置の前 で、そこにコントロールオペレータが必要となります。リモートコントロールの場合、無線設備が物理的に 設置されている場所に人は必要ありません。

    • コントロールポイントの場所に制限はありません。アメリカ国外からの 操作もそのコントロールポイントの国の法律が禁止していない限り可能です。

    • 注:「W1/JA1***」のような相互運用協定によるコールはリモートコント ロールを使用できません。
      相互承認協定等による外国人運用者は、リモートコントロールの条件に合致しませんので、 コントロールポイントがアメリカ国内外どこであってもリモートコントロールはできません。相互承認協定 等による運用者は、目の前にある無線設備を操作することのみが許可されています。リモートコントロール 局であっても、無線設備の物理的な設置場所に訪問しローカルコントロールする場合は運用できます。



  • DXCC(2023年4月現在)
    • アメリカ国外からのリモートコントロールでも、ルール内である限り DXCCクレジットとして有効です。

    • ARRLに直接確認した回答は以下の通りです。
          24-Apr-2023 14:35(UTC) by ARRL Radiosport and Regulatory Information Manager,W9JJ

      • コントロールオペレータが FCC 発行のライセンシーである場合、オペレータは、世界中のどこからでもリモートステーションを 操作できます
        "If the control operator holds an FCC-issued licensee, the operator controlling the remote station can do so from anywhere in the world."

      • DXCC アワードの場合 リモート ステーションはすべて同じ DXCC エンティティ内にある必要があります (アワードがアメリカ合衆国からの DXCC の場合、すべてのリモート ステーションは本土 48 州内にある必要があります)。
        "For DXCC Award purposes the Remote Station(s) must all be located within the same DXCC entity (if the Award is to be say for DXCC from the United States of America, all remote stations must be located within the 48-mainland states)."

      • Worked All States アワードの場合 リモート ステーションはすべて 50 マイル(注:約80km)の円内にある必要があります。
        (For Worked All States Award purposes, the Remote Station(s) must all be located within a 50-mile circle.)

      • VHF/UHF センチュリー クラブ (VUCC) アワードの場合 リモート ステーションはすべて 124 マイルの円内に配置する必要があります。
        "For VHF/UHF Century Club (VUCC) Award purposes, the Remote Station(s) must all be located within 124-mile circle."


    • ルール(DXCC)としては

      • ルール9(局の位置とエンティティ)
        • 同じエンティティ(ホームエンティティ)内であれば、局の場 所が異なる場合でもクレジットとして合算できる。
           →QTHの変更(移動運用や引越)は、同じホームエンティティ内であれば良い。
        • 交信に使用する送信局と受信局は直径500m以内であるこ と。
           →これは単独(1つの)交信の話で、1つQSOので500mルールを超える送信局や受信局を 使用すると、そもそも2-wayではないので使用してはいけないというもの。QTHの変更は前 述のとおり。
        • 合法的に許可されているリモートコントロール局とのQSOは クレジットとして使用できる。

      • ルール10(QSOの方法)
        • 別のオペレータや別のエンティティから行われた QSOの合算は禁止。
           →他人に自分のコールを使わせてQSOすることやホームエンティティ外のQSOを合算するこ とは禁止。

        • (ルール9を満たしている限り)、他のライセンシーの局から のQSOも自分のコールサインを使えばクレジットとして使用できる。
           →日本ではまずありえませんが、アメリカではライセンシーとコントロールオペレータが分離さ れているため、友人知人の設備やレンタルシャック等からの運用も問題ないことを示している。
        • (ルール9を満たしている限り)、複数のコールサインでの QSOのクレジットを合算できる。
           →アメリカではコールサインを比較的簡単に変更できるため、ライセンシーとエンティティが同 一であればコールサインが異なっても1つのクレジットとして合算できる。日本でも総通エリア外 への引っ越しによるコールサインの変更があった場合に適用できる。

      • ルール11(リモートコントロール)
        • リモートコント ロールは、各個人が倫理的問題を考慮して、良識の範囲で運用する必要がある。
          ”アマチュア無線の最高のアワードであるDXCCは、他の参加者から厳しい審 査を受けている。順位を上げていくと、注目が集まるようになり、自分のアワー ドとクレジットが正しい運用により積み重ねられたものであることに責任を持つ 必要がある。多くの参加者がいる今では、より倫理 的に「アワードを楽しむ」ことがこれまで以上に重要である”
        • リモートコントロール局は、適切なライセンスを取得している こと。
        • ホームエンティティの外にあるリモートステーションを使用し たクレジットを合算することは禁止。
        • ”リモートコントロールで行ったQSOを適切にクレジットとして使用するこ とは、オペレータの責任である”



  • バンドと送信電力
    • 試験でもある程度出題されますが、細かいところをいくつか。とり あえずHFまでのみ。
    • 周波数範囲は、JAより狭くなるところはありません。
    • 周波数帯やリージョンにより細かい規則があります。日本の場合は免許 状に列記してあるから親切です(※1)が、アメリカの場合は包括免許なので自分でpart97を熟読し て違反し ないように運用するしかありません。
      ※1 日本でも2023年9月25日から、免許状への列記はなくなり、法令を参照することとなりまし た。

    • FCCの管轄範囲とITUリージョン ※FCC rule Part97 の Appendix 1に明記
      • リージョン2
        • アメリカ本土50州
        • コロンビア特別区
        • アラスカ
        • カリブ諸島
          • Navassa Island ナヴァッサ島
          • Virgin Islands ヴァージン諸島(50の島とナバサ島)
          • Commonwealth of Puerto Rico プエルトリコ自治連邦区
          • Desecheo Island デセチョ島
        • KH6-7/ ハワイ
        • 東太平洋島しょ地域のジョ ンストン島、ミッドウェー島
      • リージョン3
        • KH0/ Commonwealth of Northern Marianas 北マリアナ諸島自治連邦区(サイパンなど)
        • KH1/ Baker Howland Island Group ベーカー・ハウランド島
        • KH2/ Guam  グアム
        • KH8/ American Samoa アメリカ領サモアと7つの島
        • KH9/ Wake Island ウェーキー島
        • ジャービス島
        • キングマンリーフ
        • パルミラ島と50以上の島


    • 周波数使用の原則
      • 地上から50km以内
      • 指定された(下記)のITU地域内
      • FCC以外の機関によってアマチュア業務が規制されている地域以 外の場所(米国籍の船舶や航空機、公海上など)

    • 周波数の使用区分(バンドプラン)
      バ ンドプランの 項目をみてください。




 

 

 

 

de JQ2MPJ 湯浅 徹

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